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第26章 温泉動画配信

麻奈は１人で露天風呂を訪れる。浴衣を脱いで、鏡で自分の身体を確かめる。紗英ほどではないが、十分に大きいと言える胸。そのバストトップも小さめできれいな色をしている。

身体付きは余分な志望がないすっきりとした細身だが、胸、太もも、お尻などあるべきとこにはある、女性であれば誰もが羨むプロポーションである。

しかし、最近は紗英という企画外の身体を持つ女性がそばにいるので、自信を失いそうになる。周りの男性の視線を集めるのは紗英の方が多い。動画で紗英に対してのコメントの方が多い時は思わず嫉妬してしまうこともある。

それでも麻奈が紗英と一緒にいるのは紗英の性格が良く一緒にいると楽しく楽だからにほかならない。そして何より動画配信という共通の趣味のおかげでもある。承認欲求の強いことを麻奈は自覚している。

裸に近い映像を不特定多数の人間に見られ、名前も知らぬ人達から称賛のコメントをもらうことに麻奈も紗英もえも言われぬ快感や満足感を覚える。周りは同じようにSNSで写真を上げているが、麻奈はそれでは満足できなくなっていた。
だからこそ紗英と二人でどっぷりと動画配信にはまっている。

最近は生半可な褒め言葉では満足しなくなり、彼氏も必要としなくなってきた。動画のコメントだと褒め言葉が圧倒的でネガティブなものが少ない。彼氏といると嫌なとこも目につき、ケンカが多くなる。麻奈が彼氏と別れて久しい。その分自慰行為が増えた。

そんな麻奈は湯浴み着を着て自撮り棒片手に温泉に入る。誰もいない温泉で麻奈はとりあえずのんびり浸かって癒やされる。自分の中に溜まっていたものがお湯に溶け出す感覚を覚える。この感覚が好きなのだ。
10分ほどじっと静かに温泉に浸かり、溜まっていたものが出きった感覚を得ると麻奈は自撮り棒に手を伸ばす。
携帯の動画をスタートさせる。

「はーい。皆さん。ここは旅館の混浴露天風呂になります!ここではこのような湯浴み着？というものを着て入ります。これ、ダボッとして厚手なので、透けないし、体型も隠してくれるので、カップルや家族連れでも安心かもしれませんね。今の時間は他のお客さんがいませんが、あちらには女性だけのエリアがありますから、恥ずかしい方はあちらでのんびりするのも有りです。で、向こうが男性エリア…。あっ！？えっ！？す、すみません！」

麻奈がカメラを向けた先に人がいたのだ。