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第26章 温泉動画配信

「しかし、あなたみたいにきれいな女性と混浴できるなんて、運がいい。１人のんびり温泉に浸かるのも、いいものですが、こうやって会話しながら楽しむのもまたいいものです。特にあなたのような女性とならね。」

「お上手ですね。ありがとうございます。でも…もう１人の紗英の方が良かったんじゃないですか？とてもきれいだし…。」

「ふむ…。先ほどからその…紗英さんでしたか…？紗英と比べて自分は…みたいにおっしゃいますが、私は正直、彼女より麻奈さんのほうに惹かれますよ？あなたみたいにきれいで、さらにチャーミングな雰囲気を両方併せた方はなかなかいらっしゃらないから。」

「あっ…。きれいでチャーミング…。私に惹かれる…？」

「ええ。紗英さんはおきれいな方に見えましたが、私は今、こうやって話すと、麻奈さんが魅力的に見えますよ。」

「そんな…。動画でも紗英に対してのコメントが多いですし…。」

「ああ…。それは簡単なことですよ。男は素直じゃないので、コメントなんて他人に見られるところで自分の本当の好みを言わないだけです。」

「本当の好みを言わない…？」

「ええ…。男は周りに自分の好きな人を知られたくないんですよ。だから周りに合わせる。たぶん、たまたま最初に紗英さんのほうにコメントが来た。他の人はそれに合わせてコメントしてる男性が多いだけですよ。」

「な、なるほど…。ありがとうございます！なんか自信出てきました！」

「いえいえ、私は事実を言ったまでですから。あなたみたいにきれいでスタイルも良い女性が自信持たなくてどうしますか？」

狩野がやや不躾に湯の中に沈む麻奈の身体を舐めるように見る。しかし、麻奈は嫌悪感どころか、その視線にゾクゾクしてしまう。気がつけば二人の距離は近い。湯浴み着を着ているとは言え、今日初めてあった男性と裸に近い格好で一緒に温泉に入っていることに、麻奈は急にドギマギしてしまう。

「あ、あのぅ…。お願いがあるんですが…。ちょっとだけ一緒に動画撮ってもらえませんか…？もちろん顔は映さないので…。混浴の紹介なんで、男性がいるってわかる画を撮りたいんです…。」

「ああ…。なるほど…。まぁ、顔が映らないのであれば…。」

「ありがとうございます！」

狩野が了承してくれたので、麻奈はさっそく携帯を準備し、立ち上がって画角を調整する。

「では、撮りますね？」