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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第33章 残業
狩野がパソコンを打っていた手を止め、大きく伸びをする。

「ふう…。こっちは終わったよ。眞島君は後どのくらいだい?」

狩野が沙耶に声をかけてくる。かなりのスピードで狩野が処理してくれたため、沙耶もほとんど終わりかけていた。

「あと10分かからないくらいで終わります。」

「そうか。じゃあ、私は一服してくるから。急がなくていいから、確実に作業してください。」

「はい、すみません。」

沙耶の謝罪に気にするなといった感じで手をヒラヒラ振り、事務所を出て行く狩野。

『普通にしてる分は本当に理想の上司って感じなのに…。社内不倫して、しかも社内でSEXするなんて…。見たくなかったな…。』

一人になると自然とため息が漏れる。

作業しながらも考えるのは課長のこと。沙耶はあくまでも憧れであり、付き合いたいという気持ちまではなかったが、憧れの人の見てはいけない面を見たことに罪悪感のようなしこりが残る。

カツカツと聞こえる足音が狩野が戻ってくるのを知らせる。沙耶は慌てて作業を終わらせる。

「どう?終わったかい?」

狩野が優しく聞いてくる。

「はい。なんとか…。終わりました!」

「そうか。お疲れ様。戸締まり確認してくるから、慌てずに支度していいよ。」

言葉と共に紙コップに注がれたコーヒーが沙耶の机に置かれる。沙耶の好みを把握したミルク入りのコーヒー。

「ありがとうございます。」

慌ててお礼を言う沙耶に再びヒラヒラ手を振って、戸締まりを確認しに行く狩野。

『こういう気遣いがモテるんだろうな…。』

いただいたコーヒーに口をつけ、沙耶は歩き去る狩野の後ろ姿を追う。
沙耶にプレッシャーを与えないようにタバコを吸いに行ったり、その際にコーヒーを買ってくれたり、今もゆっくり沙耶が支度出来るようにと、1度確認したはずの戸締まりを見に行く。
そういった気配りをスマートに行えるのが狩野の良いところなのだが…。社内不倫のオフィスSEXという衝撃的な光景が全てを台無しにしてしまう。
帰り支度をしながらそんなことを考えていると、足がふらりともつれた。

立ちくらみのような感覚に、慌てて沙耶は近くの応接ソファにぺたりと座り込む。クラクラする頭にそのままソファに横になる。

『ど…どうしたのかしら…?貧血…?さっきまで何ともなかったのに…。』

その時、ちょうど狩野が戻ってきた。
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