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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第35章 エアコン修理
『これでマシになったかしら…。』
智亜は鏡を見て一息つく。チラッとドアの方に視線を向ける。何かしらの作業をしている音が先ほどから聞こえている。
『だ…大丈夫よね…?』
一抹の不安を抱きながらも、智亜はドアに近づく。自分のあらぬ姿を見せてしまった恥ずかしさ。襲われるかもという不安。白昼堂々と襲われることなどないという楽観視。それらを綯い交ぜにした心の状態で智亜はドアを開ける。
フワっと涼しげな風が智亜の頬を撫でる。
「えっ…?」
思わず智亜が声を漏らす。その声にリモコンを操作していた作業員が振り返る。
「あっ、ちょうどいいところに…。直りましたよ!」
先ほどのことは忘れたように爽やかな笑顔で報告してくる。
「本当ですか!?」
「ええ。単に設定の問題だったみたいで…。リセットしたら動きました。一応中も見ましたが、故障している雰囲気はなかったですよ?」
「設定の問題…?そんなことで…。すみません…。」
わざわざ来てもらったのに設定の問題と言われ、智亜は申し訳なく思い、頭を下げる。
「いえいえ、気になさらずに。一応、出張代の支払いはお願いしますので、よろしいですか?」
大した作業はしていないのにお金を払わせなければいけないせいか、逆に申し訳なさそうに頭を下げられた。
「もちろんです。ちょっと待ってくださいね。」
智亜は再度、お金を取りに寝室へ戻る。
『良かった…。真面目で優しそうな感じで…。私ったら…襲われるかも…なんて変なこと考えて…。』
内心でホッと一息ついて棚にあるお金を取り出す。
「へぇ~、寝室もきれいにされてますね?」
「へっ!?キャあっ!?び…びっくりした…。あ…あのすぐ準備するので、お待ち…ください…。」
急な声に驚き、智亜が振り返ると、閉めたはずのドアが開き、作業員が部屋を覗き込んでいたのだ。支払いを急がされてるのかと思い、財布を見せるようにして、吃りながら言う。
「あ〜、全然急がなくてもいいですよ〜。この後に予定入ってないですから〜。」
間延びした返事の仕方に智亜の背筋がゾクリとする。少し前の爽やかさは何処に行ったのかと思うくらいの暗く、粘着質な言い方。
作業員はドアを塞ぐようにしながら、室内に一歩入る。そして、ニタリと笑って後ろ手にドアを閉める。寝室に智亜と作業員の二人きり。そして一瞬の静寂。
智亜は鏡を見て一息つく。チラッとドアの方に視線を向ける。何かしらの作業をしている音が先ほどから聞こえている。
『だ…大丈夫よね…?』
一抹の不安を抱きながらも、智亜はドアに近づく。自分のあらぬ姿を見せてしまった恥ずかしさ。襲われるかもという不安。白昼堂々と襲われることなどないという楽観視。それらを綯い交ぜにした心の状態で智亜はドアを開ける。
フワっと涼しげな風が智亜の頬を撫でる。
「えっ…?」
思わず智亜が声を漏らす。その声にリモコンを操作していた作業員が振り返る。
「あっ、ちょうどいいところに…。直りましたよ!」
先ほどのことは忘れたように爽やかな笑顔で報告してくる。
「本当ですか!?」
「ええ。単に設定の問題だったみたいで…。リセットしたら動きました。一応中も見ましたが、故障している雰囲気はなかったですよ?」
「設定の問題…?そんなことで…。すみません…。」
わざわざ来てもらったのに設定の問題と言われ、智亜は申し訳なく思い、頭を下げる。
「いえいえ、気になさらずに。一応、出張代の支払いはお願いしますので、よろしいですか?」
大した作業はしていないのにお金を払わせなければいけないせいか、逆に申し訳なさそうに頭を下げられた。
「もちろんです。ちょっと待ってくださいね。」
智亜は再度、お金を取りに寝室へ戻る。
『良かった…。真面目で優しそうな感じで…。私ったら…襲われるかも…なんて変なこと考えて…。』
内心でホッと一息ついて棚にあるお金を取り出す。
「へぇ~、寝室もきれいにされてますね?」
「へっ!?キャあっ!?び…びっくりした…。あ…あのすぐ準備するので、お待ち…ください…。」
急な声に驚き、智亜が振り返ると、閉めたはずのドアが開き、作業員が部屋を覗き込んでいたのだ。支払いを急がされてるのかと思い、財布を見せるようにして、吃りながら言う。
「あ〜、全然急がなくてもいいですよ〜。この後に予定入ってないですから〜。」
間延びした返事の仕方に智亜の背筋がゾクリとする。少し前の爽やかさは何処に行ったのかと思うくらいの暗く、粘着質な言い方。
作業員はドアを塞ぐようにしながら、室内に一歩入る。そして、ニタリと笑って後ろ手にドアを閉める。寝室に智亜と作業員の二人きり。そして一瞬の静寂。