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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第41章 枕営業
嘘をつくことなく、正直に話す里依紗。アイドルをしているくらいなので、学校内でも人気は高かった。しかし、アイドルとしての理想が高い里依紗は彼氏にも身体を許さず、いつしか疎遠になり、別れた。それ以来、彼氏を作ることさえしなかった。

「なるほど…。しかし、アイドルとして、そういう志しがあるのに、今は、いわゆる枕営業も辞さないと…?」

狩野は疑問を里依紗にぶつける。アイドルとして恋愛禁止を自分に課しておいて、今は狩野に身体を差し出す気持ちが何故なのか、疑問がある。

「それは…。先ほど川崎さんの話を聞いて覚悟を決めました。ここに来るまでも、ずっと考えてたんです…。私がしたいのは、アイドルなのか、歌い手なのか…。今は…歌い手になりたい思っています。でも…今のままじゃ…なれない気がして…。何か決め手が欲しかったんです…。自分が一皮むけるために…。だから…川崎さんに曲を作ってもらうチャンスがあるなら…私はどんな犠牲でも払うつもりです…。」

しっかりと自分の気持ちをぶつける里依紗。これが枕営業ではないなら、感動的な瞬間であっただろうが、これから行なわれるのはゲスの極み。それでも互いに納得済のことだ。

『こいつは…本当に化けるかもな…。』

狩野は純粋にそう感じた。狩野がそう感じた女性は必ず売れた。やることはやるが、狩野は里依紗をトップスターに押し上げる決意をする。

狩野が思考に沈む間に里依紗はメイド服に着替え終わる。頭にカチューシャを付け、メイドが完成する。スタイルの良さと中性的な美しい顔立ちが相まって、不思議な魅力を醸し出す。

「よく似合ってるな…。では…この書類を読みなさい。」

差し出された書類を受け取り、目を通す。書かれた内容を要約すると以下のようなものだった。

・里依紗は狩野が望む時に身体を差し出すこと。
・狩野の望むプレイを拒否してはいけないこと。

・狩野は里依紗をセンターポジションに就かせること。
・狩野は里依紗に少なくとも3曲提供すること。
・狩野は里依紗の芸能活動に支障がないようにすること。

ざっくりまとめると、以上のようなものだった。

「読んだか?何か質問はあるか?」

「私がセンターに就けなかったり、3曲作ってもらえなかったら、どうなりますか?」

「信用ならないか…?」

狩野が短く問う。

「信用の問題ではなく、契約の問題ですから。」
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