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調教物語~ある男の性癖~
第9章 咲希の無毛地帯

「どうしたの?
腰でも痛いの?」

恋愛に対しては敵対心を見せる咲希だったが、
本来、心根の優しい女だけに
つらそうにしている加菜恵を心配してあげた。

「何でもないわ!
これはね、愛の痛みと言う奴や!」

お尻を椅子に降ろすと
「くっ!」と呻いて痛そうに眉間に皺を寄せた。

「おっ!?
どうした、どうした?
伊東くん、君も痔かね?」

椅子に尻を降ろすことに
苦悶の表情を浮かべる加菜恵に
総務部長がデリカシーなさそうに大声で言った。

「痔?!」

思わず咲希は驚いて声を上げた。

「やめてや!痔なんかとちゃうわ!」

慌てて否定した加菜恵だったが
「俺も痔だから、その痛みはよくわかるよ」と
総務部長は、わざわざ机の引き出しから
専用のクッションを持ってきた。

「それを使うといい。けっこう楽になるぞ
あ、気にしなくていいんだ
それは俺の予備のクッションだから
心置きなく使うといい」

総務部長は
無理やりクッションを加菜恵に手渡した。

『へえ~…
あの女、綺麗な顔して痔なんだ~』

総務部の男連中から
そのように思われている視線を浴びて、
加菜恵は顔を真っ赤にした。

「伊東さん…本当に痔なの?」

心配する咲希に

「ええわ、あんたにだけ
ほんまの事を教えてやるわ」と
加菜恵は声を潜めて話し出した。


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