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調教物語~ある男の性癖~
第11章 大槻のアプローチ

「金沢さん、辛そうですね
どうです、僕は今日、
マイカー通勤してきたんです
良ければ帰りは送らせていただけませんか?」

「え?…でも…」

「今すぐの返事じゃなくてもいいんです
帰宅するときにもう一度
お声をかけさせていただきますから」

それじゃあ、仕事、お互いに頑張りましょうと
爽やかな笑顔を咲希にくれて
大槻は自分の席に戻った。

「ふん、ええ人やんか
武郎さんをあきらめて
あの人に乗り換えたらええやんか」

そうすれば武郎は自分のものになると
加菜恵はしきりに
咲希と大槻をくっつけようとした。

『そうね…
残業を代わってくれたお礼もしないと…』

咲希は武郎に
「今夜、用事ができてしまいました
自分の時間を頂いても宜しいでしょうか?」と
メールを打った。


武郎はというと
今日は外回りの営業も不調で
時間潰しのために喫茶店でお茶をしていた。

そこへ咲希からのメールが届いた。

『用事が出来た?
ふん、まあいい。俺も昨夜は頑張りすぎたから
少しインターバルを取るか…』

それに武郎は緊縛に興味を覚えはじめていたので
緊縛教室というものをネットで調べて
勉強しに行きたいと考えていた。

武郎はスマホでLINEアプリを開くと
咲希に「わかった。素直に申告してきたことを誉めてやる。
今夜は私用とやらを片付けてしまいなさい」と返信した。

咲希はそのような内容のLINEを受け取り
「お許しを頂けましたこと、
ありがとうございます」と返信した。

そして内線電話で大槻に連絡を入れた。



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