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調教物語~ある男の性癖~
第11章 大槻のアプローチ
再び車内の空気が気まずくなった。
それを打破しようと
「さっき買ったコーヒーでも飲みますか?」と
大槻が缶コーヒーを差し出した。
良く冷えた缶コーヒーだったのだろうが
手にしたそれは、すでにぬるくなっている。
「コーヒー…お好きなんですか?」
ぬるい缶コーヒーを手にして
咲希はコーヒーが好きなのかと尋ねた。
「ええ、好きです
ほんとは缶コーヒーは
甘すぎて嫌いなんですけどね」
「私、美味しい豆を持っているんです…
良ければ淹れて差し上げますから
…私の部屋で…飲んでいかれますか?…」
そう言ってから
咲希は大槻を
自室に招き入れようとしていることを
誘っているのだと気づき
どうしてそんなことを言ってしまったのか
自分でもわからなかった。
「えっ?いいんですか?
それは嬉しいなあ」
大槻は咲希の招待を快く受け止めた。
今さら「あ、やっぱりそれはダメです」
とは言えなくなった。
やがてナビが『目的地に到着しました』と
ドライブの終わりを告げた。
「このマンションです…
散らかってますけど、少し休んでいってください」
咲希は心臓がドキドキしていた。
生まれて初めて
男性を自室に招き入れる事になったからだ。