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調教物語~ある男の性癖~
第16章 蝶の女との再会
「き、君…!」
武郎は女の顔を見て驚いた。
その女こそ
調教教室で出会った蝶の画面を着けた女だったからだ。
だが女の方は武郎の事を覚えていないのか
「お二人様、どうぞカウンターへ」と
何事もなかったかのように
武郎と寺嶋を席に案内した。
ロックを注文する寺嶋だが
武郎は節度を守り「水割り、薄めで」とお願いした
ほどなくして寺嶋は酔いつぶれて
カウンターテーブルに顔を落としてイビキを掻きはじめた。
「すいません…これでは商売になりませんね」と
申し訳なく感じた武郎は仕方なくボトルを一本キープしてあげた。
「いいのよ気を使わなくて…」
あの夜、蝶の画面を被っていた女が
武郎の話し相手になるわと
隣に座ってくれた。
「今夜はもうお開きにしようかしらと
さっちゃんと話していたところだから
気にしないでね」
小太りのママさんも愛想よくて
さっぱりした気性なのだろうか
酔いつぶれた寺嶋を眺めながらニコニコしていた。
「ね、どうしてここに私がいるって知ったの?」
ママさんから、さっちゃんと呼ばれた女は
武郎の耳元で小声で話し始めた。
「いや、ほんとに偶然さ
まさか君が働いている店とは思わなかったよ」
親密そうに話す二人を見て
「あらあら?お知り合い?」と
ママさんが興味深そうに二人を見つめた。