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調教物語~ある男の性癖~
第3章 擬似セックス

その夜、武郎はインターネットで
熟女モノ動画を見ながら
右手で虚しくペニスをシコシコしていた。

オナニーでも射精するが
やはり生身の女とセックスすることに比べて
充実感がなかった。

ペニスをティッシュで拭い
ズボンを履くときに
ポケットでカサっという音がしたので
何だろうと思いながらポケットをまさぐった。

カサカサという音の正体は
昼間に先輩から
無理やり手渡されたデリヘル嬢の名刺だった。

グシャグシャになった名刺のシワを伸ばしながら
武郎は名刺にプリントされた女の顔を
改めてじっくりと見てみた。

『アイドル並みの女に抜いてもらえるんだぞ』

先輩の声が脳裏に甦った。

「ふぅ~ん…アイドル並みねえ…」

女の顔写真を見ながら
先輩の女の趣味の悪さに辟易した。

アイドルというよりは
そんじょそこらにいる女と大して変わらなかった。

でも、こんな女でも
自分の手でシコシコするよりはマシかもなと
武郎はスマホを手にすると
名刺の電話番号にかけてみた。

『はい!デリヘル「ムーンシャトウ」です』

てっきり女への直電かと思いきや
電話の相手は中年風の男の声だった。

『そうか…女の直電じゃないのか…』

武郎が無言でいると
『お客さま、初めてのご利用でしょうか?』と
こちらが返答するのを急かしてきた。
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