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調教物語~ある男の性癖~
第18章 分岐点
「金沢さんに何かあったんですか?」
タクシーの中で
気になって仕方がなかったので
加菜恵は思いきって総務部長に聞いてみた。
「ここだけの話しにしてくれるかい?」
いつもと違う総務部長の口調に
「はい、他言はいたしません」と
加菜恵は部長と同じように真剣な表情を作った。
総務部長は加菜恵の耳元に口を寄せて
「どうやら金沢さんは
レイプ被害にあわれたようだ」と
内緒話をするように小声で話した。
「えっ?レイプ?」
加菜恵は思わず大きな声をあげてしまった。
「しーっ!」
部長は人差し指を立てて加菜恵の唇にタッチした。
普段なら「それ、セクハラですけど」と
噛みつく加菜恵だが
レイプという言葉に愕然とした。
確かに金沢咲希は武郎を取り合う恋敵だけれども
派遣社員ということで
他の人には心のシャッターを降ろすけれど
咲希とは屈託のない会話ができるので
社内では唯一の友人と言っても過言ではなかった
男性経験が豊富な加菜恵にしても
見ず知らずの男に無理やり挿入されるというのは
身震いするほど気持ちが悪い。
根が純情な咲希の事だから
とんでもなく心を痛めているに違いない。
ここは一旦、恋敵というのを休戦して
咲希の力になってあげたいとおもった。