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調教物語~ある男の性癖~
第18章 分岐点

「で、部長は金沢さんの
心のケアをと考えてはるん?」

「ああ、上司として
彼女を親身に心配しているからね」

加菜恵はフンと鼻で笑った。

「何が可笑しい?」

「部長がしゃしゃりでるのは逆効果やわ
そういうデリケートな問題に男はいらんねん」

だから、私一人に任せて
部長はタクシーを降りて引き返してくれと
加菜恵は申し出た。

「いや、しかし…」

「レイプされたって事を
誰にも知られたくないやろし
ましてや男の部長さんなんかには
知られとうあらへんわ」

彼女の言葉に部長は
口を「へ」の字にして気に食わんという態度になった。

「仮に部長が包茎やったとして
包茎手術後に私がお見舞いに来ても
嬉しくあらへんし恥ずかしいやろ?
しかも包茎だということが
人知れず私にバレてたとしたら落ち込むやろ?」

「それはまあ…」

だから私に任せておいてくださいと
交差点で信号が赤になって
タクシーが停車したのを機に
加菜恵は無理やり部長を
タクシーから降りてもらった。

「本当に私が行かなくても…」

「私に任せておいてくれたらええねん」

寂しく交差点で佇む部長を残して
タクシーはどんどん遠ざかっていった。





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