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調教物語~ある男の性癖~
第18章 分岐点
加菜恵は部長から
アドレスを写したメモと目の前の建物を
交互に眺めていた。
『ここね』
セキュリティ-が
しっかりしたマンションのようなのに
彼女、きっと隙を見せちゃったのね…
咲希の部屋番号をプッシュしてみたが
案の定咲希からの返事はない。
『当たり前か…
今は誰にも会いたくはないやろし…』
とりあえず携帯番号にもコールしてみたが
これまた反応がない。
「あ~あ、くたびれ儲けやわ」
せっかくここまで来たのだから
ついでに近くの喫茶店でコーヒーでも飲んで
仕事をサボってやろうかと
マンションを後にし始めると、
一台のタクシーが止まって
中から大槻が降りてきた。
「あっ!大槻さん…」
なんで、あんたが?と加菜恵が言うよりも先に
加菜恵の姿を見つけると
「咲希…あ、いや、金沢さんは?」
と聞いてきた。
「インターホンを押したけど反応なしやわ
もしかしたら留守なのかもしれへん」
そのように大槻に話すと
「とりあえず部屋へ言ってみよう」
大槻はそう言って
ポケットから合鍵を取り出すとロックを解錠した。
「あんた、なんで鍵なんか持ってるん?」
加菜恵の問いかけに無視するように
大槻はさっさとエントランスに入ると
エレベーターに向かった。