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調教物語~ある男の性癖~
第18章 分岐点

なぜ合鍵を持っているのかと
加菜恵はしつこく聞いてきたが大槻は無視した。

肉体関係を結び、
付き合ってほしいと告白した後に
「良ければいつでも遊びにきて」と
咲希が渡してくれた。

合鍵を持っているからといって
無造作に解錠して部屋に飛び込むわけにはいかない

加菜恵と大槻の二人は
咲希の部屋の前にたどり着くと
とりあえずドアホンで呼び掛けた。

「金沢さん、うちや加菜恵や
いてるんやろ?顔だけでも見せてえな」

呼び掛けて少し待ってみたが
反応はない。

「咲希!僕だ、大槻だ!
君に何があろうとも僕は君の味方だよ」

大槻が声を掛けると
それまで無反応だったドアホンから
「来て…」と咲希のか細い声が反ってきた。

「なんやのそれ!」

自分には居留守を決め込んだくせに
男が相手なら部屋に招き入れるんかい!と
加菜恵は頬を脹らませた。

合鍵の件といい、大槻が呼び掛けて応えた事から
二人はデキてしまったのだと加菜恵はピンときた。

部屋は灯りもつけずに真っ暗だった。

大槻は部屋の灯りをつけて驚いた。

警察が指紋採取したのだろう
ありとあらゆるところが白い粉で汚れている。

「咲希、ベッドかい?」

大槻がこの部屋の間取りを知っているかのように
スタスタと先を急いで寝室のドアを開けた。


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