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調教物語~ある男の性癖~
第20章 転勤

いくら大阪まで時間が早くなったとはいえ
二時間半の道のりは長い。

浜松を越えた辺りから睡魔がやってくる。

不意に右肩が重くなった。
理由はすぐにわかった。

岩下女史が俺の右肩を枕に熟睡してやがる。
肩を跳ねて起こすのも可哀想だし、
しばらくはこのまま眠らせてやるか…


それにしても
目鼻立ちの整った良い顔してやがる。

付けまつげかな?
やけに長いな。

俺の事を脂の乗りきった男だと言ったが
自分だって色気バリバリの良い女じゃねえか

歳は…
多分まだ40代だろうか…

この若さで本社の営業部長だったんだから
よほど良い大学を出ているんだろうな。

高卒の俺には高嶺の花ってやつだ。


繁々と彼女の寝顔を至近距離で見つめていると
不意にパッと彼女の目が開いた。

『おおっと!』

俺は素早く真正面を向いたが
見つめていたことを気づかれていた。


「私にキスしたくなっちゃった?」

図星だったけれど、
はい、そうですとは言えない。

「と、とんでもない!」

「キスなら、いつでもしていいのよぉ~」

岩下女史はそう言って武郎の手を繋いできた。


「岩下部長…」

「裕美子と呼んでね
これから大阪に乗り込むパートナーなんだし
仲良くやっていきましょうよ」

そう言って
さらに強く手を握りしめてきた。




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