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調教物語~ある男の性癖~
第20章 転勤
「いえ、本日は
今後赴任いたしますと言う挨拶だけですので」
お二人が来てくれることになって
ここも活気が出るかもしれまへん。
どうぞ、よろしゅうお願いしますわ
調査ではなく挨拶だけとわかると
喋るだけしゃべって
「ほな、仕事がありますよって」と
支社長はそそくさと姿を消した。
「あんまり歓迎されてないみたいですけど?」
会社を後にして
俺はこれからの仕事のやりにくさに
ため息をついた。
「でしょう?
だから、私、あなたを引っ張ってきたのよ」
「えっ?」
実のところ、異動を命じられたのは
彼女一人だったのだ。
それを武郎と一緒でなければイヤだと
駄々を捏ねたらしい。
「ふう~っ…ホントに貴女って人は…」
こっちはそのために
咲希と加菜恵という飼い犬を
残して来なければならなかったのだと
少しだけ腹立たしく思った。
「長旅で疲れちゃった…
賃貸探しは後回しにして
取り敢えずホテルにチェックインしましょうよ」
まあ、キャリーバッグを
ゴロゴロ転がして異動するわけにも行かず
武郎もその方が良さそうだなと
異論はなかった。
「ツインで良いでしょ?」
ホテルのフロントで部屋を頼むと
生憎と満室に近い状態で
否応なしに一部屋だけを借りることとなった。