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調教物語~ある男の性癖~
第22章 シェアルーム
「ねえ、どこへいくの?」
「OBと言っても、
俺はここに一月(ひとつき)も通っていないから
真正面から訪問してもOBとは認めてくれないよ」
武郎と岩下裕美子は校庭に沿うように
ひたすら裏道を歩いた。
ちょうど学校の裏側に達すると
「わあ~、昔のままだよ」と
一枚のフェンス扉をこじ開けた。
「ここ、昔から施錠していないんだ
良かったよ、ここから入れる」
けっこう軋み音がしたけど
少し力を加えると、扉は難なく開いた。
「さあ、入って」
そのように武郎は岩下裕美子を誘うが
「ねえ、これって不法侵入よ」
そう言って難色を示した。
「何も盗ったり壊したりする訳じゃない
ただ、あの日に戻ってリスタートしなきゃ
これから先、俺は前に進めないんだ」
クラブ活動も終わったのか
夕暮れの学校は静まり返っていた。
「ほら、早く!」
あまり気乗りはしなかったけど
彼の機嫌を損ねて
今後の性交渉に支障がきたしてもマズイので
裕美子は仕方なく彼の後に続いた。
『どうか誰にも見つかりませんように…』
裕美子は気が気ではなかった。
見つかって警察沙汰にでもなれば
二人の履歴に傷を残してしまう。
一歩踏み出す度に
ドキドキした。
やがてそれは異様な興奮へと変わってゆく。