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調教物語~ある男の性癖~
第22章 シェアルーム

「よかったよ、
ここが統廃合とかで壊されていなくてさ」

懐かしそうに廻りを見渡しながら
武郎はスタスタと歩みを進める。

夕刻はつるべ落としのように
一気に暗やみになろうとしていた。

「さあ、こっちに来ておくれ」

体育館裏の倉庫の前で
早くおいでと武郎が手招く。

「ここに寄りたかったの?」

「そうさ、ここが俺の思い出の場所さ」

武郎が倉庫の扉のドアノブに手をかけて
手前に引くと扉は金属音を発して開いた。

「まあ!ここも施錠されていないの?
なんて不用心な…」

「表側はがんじがらめに施錠されているけど
裏側なんてこんなもんだよ」

さあ、入って

レディファーストのように裕美子を先に
室内に入れと促す。

倉庫内は、やけにカビ臭くて
ジメジメと湿気が充満していた。

裕美子が部屋の真ん中辺りまで
歩みを進めたのを確認すると
武郎は扉を閉めた。
灯りがない倉庫は一気に闇に包まれた。

「えっ?なに?真っ暗で何も見えないわ」

「静かに…しばらくしたら
闇に慣れて少しは見えてくるよ」

武郎の声が倉庫内に響き渡り
どこから話しかけられているのか
全くわからない。

しばらくすると
武郎の言うように少しだけ周りが見えてきた。

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