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調教物語~ある男の性癖~
第24章 大阪の女
営業本部長室と言っても
デスクは普通の事務机で
椅子さえも一般の社員が使っているものと
代わり映えしなかった。
かろうじて応接セットがあるので
営業部のトップ三人を招いて
対策会議が出来るだろう。
「では、お時間になりましたらご案内に伺います」
ああ、食堂での社員一同を介しての
就任式の事だなと武郎は合点した。
「えっと…君…森川くんと言ったっけ?
君は営業1課だっけ?」
「はい、営業部第一課に所属しております」
「役職は?」
「役職なんてありませんよ
ただのペーペーですから」
「それなら都合が良い
君を営業本部長付けの秘書として任命するよ」
「えっ?秘書?…」
ピンとこないのだろう
狼狽えた表情が何とも言えず可愛い。
「ずっとという訳じゃないんだ
僕が大阪支社に馴染むまで
世話を焼いてくれないか」
「私でよければ…」
「よしっ!決まりだ!
岩下裕美子に…じゃない
岩下副支社長に辞令を書いてもらうように
頼んでおくよ」
「ありがとうございます!」
彼女からとびっきりの笑顔がこぼれた。
無理もない。
東京の本社営業部のスマートな連中と違い、
ここ大阪支社の営業部は
むさ苦しい男たちばかりだから
彼女にしても辟易していたのだろう。