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調教物語~ある男の性癖~
第4章 総務の咲希さん
そうこうするうちに
カレーライスが出来上がった。
「時間がなくて
煮込み不足かもしれませんが…」
手の込んだ料理よりも
カレーライスならば誰の口にも合うと考えたようだ
『なんだい、カレーかよ
それならばレトルトで充分なのにさ』
さあ、どうぞ食べてみてくださいと
手渡されたスプーンを手にして
一口食べてみた。
「うっ!旨い!!」
お世辞抜きで旨いカレーだった。
「そ?良かったわ
隠し味にココアを入れてみたの」
金沢咲希は満足げに微笑んで
武郎と向かい合わせに座ると
彼女もスプーンでカレーを口に運んだ。
「こうして食事していると新婚気分だわ」
浮かれて、ついそのような事を話してから
しまった!という顔をして真っ赤になった。
「そうだな…誰かと一緒に飯を食うってのは
幸せな気分になるな」
気まずい空気が流れかけたので
武郎は労るようにそう言ってやった。
食事も済んで後片付けも終わると
彼女はベッドメイクまでしてくれた。
そしてその時に枕元の湿布薬を見つけた。
「それじゃあ…私、そろそろ帰りますね…」
勿体ぶるように彼女はスローテンポでそう言った。
引き留めてほしい…
そういうニュアンスが込められていた。