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調教物語~ある男の性癖~
第25章 岩下裕美子の嫉妬
帰宅してみると、
武郎もまだ帰ってきていなかった。
『どこで飲んだくれているのかしら』
真新しい冷蔵庫からビール缶を取り出し
リングプルを引き上げた。
誰もいない室内に
プシュという虚しい音が響いた。
二本目の缶ビールを飲み干す頃になって
ようやく武郎が帰宅してきた。
「ずいぶんと遅かったのね」
「すいません、営業部で引き止められてしまって…」
「まあそんなことだろうと思っていたわ」
あなたも飲む?
そう言って裕美子は席を立った。
冷蔵庫に向かいながら
『違う!そうじゃない!
私が向かうべきは武郎の腕の中なのに…』
自分のキャリアが男に甘える事を拒絶していた。
本音は武郎の胸に飛び込んで甘えたいのに
クールに装ってしまう自分の愚かさを悔やんだ。
冷蔵庫に向かおうと歩き始めた途端
酔いが一気に回ってきた。
足元がおぼつかない。
「危ない!」
武郎が駆け寄り裕美子を抱き止めた。
武郎に抱かれて
裕美子の女としての本能が爆発した。
「武郎!抱いて!
抱いて欲しいの!!」
裕美子は武郎の腕の中で甘えて胸に寄りかかった。
艶かしい男の体臭を嗅ごうとしたが
武郎の体からは
今日1日動きまわった男の体臭が
匂ってはこなかった。