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調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会

武郎が三人に連れていかれた店は
有名な「もつ鍋屋」であった。

寝不足の胃袋には少々脂っぽくて
なかなか苦心したが
それでもスタミナの補強にはもってこいであった。

仏頂面の野暮ったい三人の男どもであったが
酒が進むと大阪弁で非常によくしゃべった。

方言ゆえに
何を言っているのかわからない部分もあったが
ともかく三人が武郎を快く迎え入れてくれたのは
充分に伝わった。

満腹になったことだし
お開きとなったが
飲み始めた男どもは武郎を帰そうとはしない。

「本部長!もう一件!もう一件だけ行きましょう」

何度も「これで失礼するよ」と言ってみたが
取り入ってもらえない

岡と石田の両名が武郎の脇を
ガッチリと抱きかかえて
パッと見は拉致さながらであった。

「仕方ないなあ…
じゃあ、その前に一本だけ
電話をかけさせてくれないか」

スマホを片手に道路脇に逃げた。

このままとんずらすることも可能だったが
せっかく打ち解けてきたのに
わざわざ関係をこじらすのは得策ではない。

武郎は三人に背を向けて
裕美子に連絡を入れた。

『はい、裕美子よ
どうしたの?
武郎が電話してくるなんて珍しいわね』

「いや、今夜は営業の連中に
歓待を受けていてね…」

『今夜は?今夜も、の間違いじゃない?』

そうか…昨夜も愛弓との逢瀬を
営業部の歓迎会という事にしていたんだっけ…

「そうそう…今夜も付き合いで駆り出されて
帰宅が遅くなりそうなんだ」

『まったく…
あんまり頑張りすぎると、
そのうち性病をもらっちゃうわよ!』

早口で罵られて
こちらが何か言う前に唐突に通話を切られた。



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