この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会
「ばーぼん?そんな上等なもんあらへんわぁ
角のハイボールにしときぃ、
な、みんなも角のハイボールでええやろ?」
何を飲むのかと聞いておきながら
結局は儲け率がいいのか
全員にハイボールがカウンターの上に並べられた。
「ママぁ~、今夜はさっちゃんは休みかいな?」
立花の言葉に武郎は耳を疑った。
「さっちゃん?!」
いや、さっちゃんなんて源氏名は
呼びやすくて覚えて貰いやすいから
どこにでもある名前だ。
一瞬でもドキッとした自分を武郎は恥じた。
「さっちゃ~ん!たぁ~さんがお呼びやでぇ~」
ママさんに呼ばれたさっちゃんと呼ばれる女が
「はぁ~い」と返事をして
テーブル席でお相手していたグループのお客さんに
「ちょっとだけ失礼しますぅ」と言って
カツカツとハイヒールの音を響かせて
こちらに近づいてきた。
「いやぁ~、たぁ~さんったら
お友だちを誘って来てくれたん?」
その声を聞いて
武郎はハッとなって後ろを振り返った。
「さ、佐智子!?」
名前を呼ばれた佐智子も
チラッと武郎に目をやって
「あっ!?」と小さな声を上げて凍りついた。
まさか、こんなところで
佐智子に再会できるなんて…
この時ばかりは
運命の赤い糸というものを
信じずにはいられなかった。