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調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会

「まさかこんなところで再会するなんて…
奇跡としか言いようがないよ」

「ほんまやね…」

なんだかとても迷惑そうな
曖昧な返事がかえってきた。

「なんや?さっちゃん、
うちの本部長と知り合いなんか?」

立花がつまらなさそうな声をあげた。

「うん…まあ、ちょっと以前にな…」

肌を重ね合わせた事は内緒にしたいようだ。

「そう言うたら、あんたうちに来る前は
東京におったって言うてたもんなぁ
そんときの知り合いか?」

関係を無視したがるさっちゃんに
ママさんは追及しようと
武郎と佐智子の関係を知りたがった。


「さっちゃん!水割りおかわりや!」

テーブル席の客が大きな声でおかわりを注文した。

「はぁ~い、ただいまぁ~」

注文が入ったのを幸いとばかりに
佐智子は「ほな、また後で」と一言を残して
テーブル席へ小走りで向かった。

「本部長とさっちゃんが顔見知りやなんて…
世間って広いようで狭いもんやなあ」

どうやら立花は佐智子を気に入っているのだろう
思いもよらぬライバルの出現に
イラついたように足を小刻みに揺らして
貧乏ゆすりを始めた。

「いや、顔馴染みというよりは
通っていたスナックで
数回だけ顔を合わせただけだ」

佐智子が武郎と顔見知りというのを
隠したがっているので
武郎は機転を利かして
特別な関係ではないことを強調した。

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