この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会
「まさかこんなところで再会するなんて…
奇跡としか言いようがないよ」
「ほんまやね…」
なんだかとても迷惑そうな
曖昧な返事がかえってきた。
「なんや?さっちゃん、
うちの本部長と知り合いなんか?」
立花がつまらなさそうな声をあげた。
「うん…まあ、ちょっと以前にな…」
肌を重ね合わせた事は内緒にしたいようだ。
「そう言うたら、あんたうちに来る前は
東京におったって言うてたもんなぁ
そんときの知り合いか?」
関係を無視したがるさっちゃんに
ママさんは追及しようと
武郎と佐智子の関係を知りたがった。
「さっちゃん!水割りおかわりや!」
テーブル席の客が大きな声でおかわりを注文した。
「はぁ~い、ただいまぁ~」
注文が入ったのを幸いとばかりに
佐智子は「ほな、また後で」と一言を残して
テーブル席へ小走りで向かった。
「本部長とさっちゃんが顔見知りやなんて…
世間って広いようで狭いもんやなあ」
どうやら立花は佐智子を気に入っているのだろう
思いもよらぬライバルの出現に
イラついたように足を小刻みに揺らして
貧乏ゆすりを始めた。
「いや、顔馴染みというよりは
通っていたスナックで
数回だけ顔を合わせただけだ」
佐智子が武郎と顔見知りというのを
隠したがっているので
武郎は機転を利かして
特別な関係ではないことを強調した。