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調教物語~ある男の性癖~
第26章 奇跡の再会

佐智子と武郎が顔見知りとわかった途端、
酔って機嫌の良かった立花が急に寡黙になった。

『わかりやすい男だな』

営業たるもの
ピエロに徹するのなら
何があってもピエロを演じ続けなければいけない。

『立花くんか…まだまだ青いよ』

「おかわりどうですか?」

佐智子がテーブル席から解放されて
再びカウンターに来てくれた。

「さっちゃ~ん!来てくれたんやね」

寂しかったんやでぇ~と言いながら
さりげなくヒップにタッチする立花。

『よせよ…ここはお触りバーじゃないだろうに』

非難の眼差しを立花に注いだが
まるでお構い無しに行為を止めない。

そうかと思うと日頃は口数の少ない岡も
「僕はママさんが好みのタイプやなあ~」と
言いながらママの手を掴んで離そうとしない。
そしてついにはエスカレートして
ママさんの二の腕辺りまで擦り上げていた。

『こいつは根っからのムッツリタイプだな…』

どいつもこいつも
マナーのわからない奴ばかりだな…

「お客さん、手を離してくれんと、
うち、仕事がでけへんわぁ~」

やんわりと岡の手を拒む台詞を言いながらも
ママさんも満更ではないようだ。

ひょっとして、ここ大阪では
このようなスキンシップが当たり前なのだろうか…

いつまでも佐智子の尻を撫でる立花の顔を見てると
無性に腹が立ってくる。


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