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調教物語~ある男の性癖~
第30章 佐智子との永遠の別れ
警察を名乗って部屋に押し入る不届き者もいるので
武郎はドアチェーンを掛けたまま
数十センチだけドアを開けた。
「どうもすいません
私、大阪府警の吉村と言います」
不細工な男が警察バッチを掲げて名乗った。
すぐ背後からわずかな隙間から
「同じく大阪府警の横山です」と
これまた同じように警察バッチを掲げた。
「ちょっと待ってくださいね」
武郎は仕方なく
一度ドアを閉めると、
ドアチェーンを外して扉を解放して
二人の刑事を招き入れた。
「いやあ~本当に申し訳ありませんねえ」と
吉村と名乗る年輩の男が
玄関に厚かましく入ってきた。
「こんな夜分にいったい何の用件でしょうか?」
武郎のムッとした口調に
そっちがその気ならというように
吉村は「立花啓介という男をご存知ですよね?」と
やけにドスのきいた声で囁いた。
「立花?
営業部の部下ですが…」
「ですよね?
では、木村佐智子さんという女性について
ご存知ですかな?」
『佐智子?』
ビクッとした武郎の表情を
吉村刑事は見逃さなかった。
「どうやらご存知のようですなあ…
ちょっとお話を伺いたいので
ご同行願えますかな?」
任意同行であるにも関わらず
何がなんでも連れてゆくという雰囲気を
吉村刑事は匂わせた。