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調教物語~ある男の性癖~
第30章 佐智子との永遠の別れ
「あなた?」
上着を羽織って外出の準備をし始めた武郎に
裕美子が心配そうに声をかけた。
「うちの営業部員に何かあったみたいだ
とりあえず警察に行ってくる」
準備を整えると「お待たせしました」と
武郎は二人の刑事に前後を挟まれながら
路上駐車してある覆面パトカーに乗せられた。
「一体、立花に何があったんですか?」
理由もなくパトカーに乗せられたのだ
それぐらいの訳は聞かせてもらおうと
武郎は前部座席に前のめりになった。
「実はね…木村佐智子さんが殺害されました」
「えっ?今なんて?」
殺害という言葉が
武郎の頭の中でグルグルと回っていた。
聞き間違いに違いない。
武郎は深呼吸してもう一度、吉村の言葉を待った。
「クラブホステスの木村佐智子さんが
ホテルの一室で絞殺されました
警察に通報してきたのは
同じ部屋にいた立花でした
動機も何も喋ってくれませんでね
こういった場合、
普通は弁護士が来る迄黙秘するというのは
よくあるんですが
この男の場合、
あなたを連れてくるまで
しゃべらないとダンマリを
決め込んどるわけですわ」
ホテル?
一室?
絞殺?
言葉の断片がグルグルと頭のなかを駆け巡る。