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調教物語~ある男の性癖~
第31章 再生の時
翌日、裕美子は支社長の永山英一に呼び出された。
コンコン…
支社長室のドアをノックすると
「どうぞ、入ってんかぁ~」と
大阪弁で永山が入室を促した。
「失礼します」
部屋に入ると小柄な永山が
自分の座高よりも大きな背もたれに
うずくまるように座っていた。
「支社長、おはようございます」
朝の挨拶をしながら
深々と頭を下げると
「まあまあ、そんな堅苦しぃ挨拶なんか
どうでもよろしいがな」と
デスクの前に置かれている応接セットのソファに
腰かけなさいと進めた。
「では失礼します」
長ソファに腰を降ろすと
永山は向かいの一人掛けのソファに座らずに
裕美子の隣に座り込んできた。
「あの…」
あまりにも密着してくるので
思わず尻をずらして永山との距離を取った。
「そんな逃げんかて、ええやないか」
出来た空間を埋めるように
裕美子が移動した分、さらに詰めて座ってきた。
「あの…ご用件は…」
なんや、つまらん女やなぁと
小声でブツブツ言いながら
永山は一枚の書類を裕美子の前に差し出した。
「例の営業本部長の件や」
チラッと書類に目を落とした裕美子は驚いた。
『解雇』と文字が目に飛び込んできたからだ。
「欠勤一ヶ月や、
もう、会社としても待ってられへんねん」
いや、でも支社長!
もう少しだけ猶予を下さいと
裕美子は永山と対峙するように座り直した。