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調教物語~ある男の性癖~
第31章 再生の時

湯船に飛び込めば一気にお湯を汚してしまうので
武郎はシャワーで何度も何度も体を洗った。

長く伸びた髪に
シャンプーとトリートメントをしてやると
まるで生き返ったかのように気持ちよくなった。

もう湯船に浸かっても大丈夫かなと
久しぶりにバスタブに体を沈めた。
今までの疲れがドッと流れ出て行くようだった。

あまりの気持ちよさに
ついつい眠気が襲ってきた。

現(うつつ)から現実に戻すように
「下着とスエットをここに置いておくわね」と
脱衣場から薫が声をかけた。

「何から何まですいません…」

武郎が風呂からあがると
白のTシャツと、
これまた白のブリーフが用意されていた。

『今どきブリーフって…』

しかし、せっかく買ってきてくれたのに
文句も言えない。
履いてみるとやけにモッサリとしいて
一気に老け込んだ気分になった。

スエットスーツを着用して
厨房を覗き込むと
薫はせっせと料理をこしらえていた。

「お風呂いただきました
あの…着替え…おいくらでしたか?」

武郎は薄っぺらくなった財布を取り出した。

「いいのいいの、私が勝手にしたことだしさ」

なけなしのお金を差し出そうとしたが
頑として薫は受け取ってくれない。


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