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調教物語~ある男の性癖~
第32章 最終章
「そんなことじゃないの!
一人雇ったんなら
私の応援は必要ないでしょと言いたいの」
だから、私、帰らせてもらうわねと
薫の娘は引き換えそうと
クルリと向き直った。
娘の顔を見て
武郎は「えっ?」と驚きの声をあげた。
娘もまた「なんで?」と間抜けな声を漏らした。
薫の娘と言うのが
驚いたことに愛弓だったのだ。
「本部長…どうしてここに…」
状況が飲み込めずに愛弓は目を白黒させた。
「あら、何?
あんた達知り合いだったの?」
見つめ合ってたたずむ武郎と愛弓に
これまた薫が驚いた声をあげた。
それならば紹介する手間が省けたわねと
細かい事に動じない薫は
「さあさ、開店の時間よ」と
暖簾を玄関にかけた。
互いの近況と、こうなってしまった状況を
話す間もないほど店は朝から繁盛した。
武郎と愛弓は話をしたくて
事あるごとにチラッと目を交わした。
忙しい1日が終わり
三人は食堂のテーブルに着いて話し合う事にした。
「どうやら二人は知り合いのようだけど
とりあえず紹介するわね
こちら、椎名武郎さんよ」
薫がバカ丁寧に紹介するものだから
「知ってるわよ!
本部長!今までどこで何をしてたんですか!」
食って掛からんばかりに
愛弓は身を乗り出して武郎ににじり寄った。
「本部長って…
じゃあ、武郎さんが
あんたの言ってた失踪した上司さん?」
今度は薫が驚いたように目を見開いた。