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調教物語~ある男の性癖~
第32章 最終章

湯船に浸かると
陰毛らしき縮り毛が数本、
湯の水面に漂っていた。

『これは薫の?
それとも愛弓のものか?』

武郎は湯に漂う陰毛を
指でチョンチョンと突っついた。

ショーツの匂いを嗅ぎ、
陰毛を見せられ、
おまけに浴室には女の湯上がりの
いい匂いがたちこもる。

武郎のペニスは萎えることをしらずに
カチカチを維持していた。

薫とのハードな夜を覚えてしまった股間は
ズキズキと疼き
知らず知らずのうちに
湯の中でシコシコと自分で慰めていた。


「あうっ!!」

武郎は湯の中で射精してしまった。
精液はあっという間に凝固して
湯の花のように白い糸屑のように湯に漂う。

『ふっ…オナニーだなんて…
高校生の童貞だった時以来だな』

まさか数日前までは
ドロップアウトし、死さえ見えていた自分が
このように人並みに湯に浸かり
自慰ができる生活に戻れるとは
思ってもみなかった。

薫には本当に感謝している…

だが、思いがけない愛弓との再会に
今一度、愛弓を抱きたい要求が芽生えていた。

『幸せになってね…』

頭の中に夢の中で佐智子が
語りかけてきた言葉がグルグルと渦巻く。

こんな俺が幸せになるなんて
百年早いよ

武郎は立ち上がって風呂の栓を抜いた。

凝固した精液がグルグルと渦に巻き込まれて
排水溝の中に消えた。

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