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私んちは淫乱家族ー続編<夏の終わりに>
第7章 ★悪だくみ★

東京の女子大を卒業したばかりの花園先生は、小柄でキュートなうりざね顔です。
白ハスの花弁のようなツヤツヤの頬に、薄紅の化粧をほんのりとほどこしただけで純真無垢な美しさ100パーセントなのですよ。

お兄ちゃんはすでに何かをたくらんでいるのでしょうか、鼻先をピクピクさせています。

「花園先生がさあ、病気で入院したらしいぜ」

「知ってるよ。胃潰瘍だって聞いたけど……」

「ピロリ菌にやられたらしい。うちの男性教師はタチの悪いピロリ菌ばかりだからなあ。新任早々に最悪のピロリ菌を浴びせられて、ストレスが溜まったんだよ」

「ストレスが原因ってことか……」

「そうだよ。俺たちがお見舞いに行って、ストレスを発散させてあげなくちゃいけないってことだよ」

「どうするんだよ?」


お兄ちゃんは数か月前の出来事を思い浮かべるように目を閉じて、勇介くんに語りかけます。

「先生が着任した翌日、体育館の倉庫に誘い出した時のことを覚えてるか?」

「ああ、覚えてるよ……」

「先生の歓迎会をみんなでやりたいから、放課後一人だけで体育館の倉庫に来てくれって言った……」

「先生はメガネ越しにうさん臭げな目つきで俺たちを見回してた。あからさまに身の危険を感じた眼差しだった」

「だけど先生は、イヤだと言わなかった。黙ってうなずいたんだ」

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