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私んちは淫乱家族ー続編<夏の終わりに>
第12章 旦那さまと奥さま

男の指は、完全にパンティの中だ。
そして、クリトリスをもてあそんでいるに違いない。

ああ、可哀想に、若き女性が目の前で、悶えて愉悦に耐えている。
電車がゴトゴト揺れるたびに、喘ぐ吐息が刻んで漏れる。


電車の速度がようやく落ちて、駅のホームに入るとドアが開いて満員の乗客たちが降りていく。

旦那さまは男の手首を引き寄せて怒鳴りつける。

「おい、痴漢野郎、警察に突き出してやるぞ!」

男は細身の若い男だった。観念したようにうなだれている。

「お嬢さん、もう大丈夫ですよ。いやな思いをしましたね。この男を警察に引き渡すから、証人になって下さいね」

男は慌てて詫びて許しを請います。

「ごめんなさい。許して下さい。とても魅力的な女性だったから我慢できずに……、警察沙汰になったら、僕は大学を退学になってしまいます。どうか許して下さい」

「おまえ、大学生なのか。勉強もしないで痴漢なんかしやがって。しかもオレの目の前で。許すものか。ねえ、お嬢さん」

女性は顔を赤らめて、怒りのこもった瞳で痴漢の男を見つめていたが、彼女の言葉は意外だった。

「助けていただいて、ありがとうございます。だけど……この男性を、どうか許してあげて下さいな。痴漢で捕まれば大学を退学になり、将来を奪ってしまうことになります。わたし、責任を感じてしまいます。それに、これから急いで仕事場に向かわなければいけませんので……」

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