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私んちは淫乱家族ー続編<夏の終わりに>
第1章 ★おばあちゃんの命日★

おばあちゃんの命日に何をすればいいのか、私はおじいちゃんに問いかけました。
「ねえ、おじいちゃん、おばあちゃんを弔うって、どうするの? 私は桃ちゃんとの約束があるから、あんまり時間はないけどさあ、ちょっとだけなら一緒に弔ってあげるよ。だから、何をすればいいのか教えてよ」
「おおそうか。メグちゃんなら、そう言ってくれると思ってたぞ。ほら、これを見てごらん。おばあちゃんの若い頃の写真だよ」
銀のフォトフレームに入ったおばあちゃんの写真を見せてくれました。
「わあ、おばあちゃん、すごい美人だったんだね」
「そうじゃよ。クレオパトラかミロのビーナスか、振り向けばモナリザの微笑だった。群がる男たちにトリカブトの毒を盛ってインポにさせて、ワシが処女膜を奪ってやった」
「おじいちゃんは、若い頃から過激で野蛮だったの?」
「何を言うか。意表を突いた策略と、燃え上がる情熱をほとばしらせてこそ、人生の勝者になれるんだよ」
「そんなもんかねえ? それでさあ、どうやって弔うの? お線香をあげて、手を合わせてお祈りするの?」
「バカなことを言うな。そんな事をしたって、何の慰めにもならんぞ」
おじいちゃんは立ち上がり、居間の壁面に埋め込まれた仏壇の前で胡坐をかくと、経机の引き出しから線香の束を取り出して私に差し出した。
「さあ、メグちゃんや、こっちへ来て、このお線香を焚きなさい」
なんだ、やっぱりお線香をあげるんじゃないかと思いながらも、言われた通りに線香の束から10本ほどをつかみ出し、専用のライターで着火しました。

