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Start Over Again
第10章 恋人というのは

しっかり咀嚼して飲み込んでから橋本くんは首を横に振る。

「いないよ。ていうか…山之内って鈍感だよね」

「ど…えっ、鈍感…?」

どのへんが? と思いながら幸田さんを見ると、橋本君の言葉に同調するようにうんうんとうなずいていて。

「恋人はいないけど、好きな人はいるよ」

「あ…そうなん…」

「もちろん山之内が知ってる人」

「えっ」

私が知ってる人ってことは職場の誰かだよな…と考えてると、幸田さんがにやにやしながら橋本くんと私の背後を指差して口を開く。

「ほら、知ってる人」

幸田さんの言葉に振り返ると、そこにいたのは須藤さん。
確かに知ってる人だけど……え。ということは…。

「すすすす須藤さんっ!?」

「お、おう? お疲れ」

思ったより声を上げてしまったせいで須藤さんを驚かせてしまった。

ええー…じゃあ、橋本くんと須藤さん両思いですやん。

「幸田さん、お疲れ様です。…隣いいですか?」

幸田さんの隣の空いている席に近づく須藤さんを見て、幸田さんは「ああ、それじゃあ恵香がこっちに移動して、須藤くんは恵香のとこに座って」と言う。

須藤さんはなぜ? という顔、橋本くんは何だかソワソワし始めて、私は「はーい」と席を立つ。

「須藤さん。幸田さんの旦那さん、実はめちゃくちゃヤキモチ焼きで、こういう席でも幸田さんの隣に男性が座るの嫌がるんですよ」
そう私が説明すると須藤さんは「ああ、そういうことなら」と橋本くんの隣に腰を下ろす。

「ごめんね、須藤くん」
軽く手を合わせる幸田さんに
「いえ、こちらこそ気が利かなくてすみません」
紳士対応な須藤さん。

そんな二人を横目に、つい数分前まで元気だった橋本くんはすっかり大人しくなって枝豆をちびちび食べている。

「私ちょっとお手洗い。須藤くん、好きなもの頼みなさいね~」

席を外した幸田さんを見送ってから須藤さんは店員を呼んで注文を済ませて私に顔を向ける。

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