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Start Over Again
第2章 再会
改めて荷物を整理すると、思った以上に少なかった。
この量なら普通車をレンタルすればいいレベルだったかも?
でも車に積んだり運び出したりってのは地味にきついしなぁ……。
トラックに積み終えた荷物を見つめながらそんな風に考えていると
「どうしたんですか?」
といつの間にか後ろに立っていた朔ちゃんから話しかけられて、ビクッと肩が上がった。
「びっくりしたー…」と振り返ると
「あ。急に話しかけたから…驚かせてすみません」と苦笑いする朔ちゃん。
さっきは気づかなかったけど、最後に会った6年前は背の高さも目線も同じくらいだったのに、今はかなり見上げないといけない。
朔ちゃんがーー……目の前にいる。
「ほんと、大きくなったねぇ……」
まじまじと見つめていたのを悟られないように、目を細めながらおばぁちゃん口調で言うと
「僕だって、成長するんですよ。あの頃から背も20センチ伸びたんですからっ」
と少しすねた様子でそっぽを向き、トラックにひょいっと乗った。
積んだ荷物がきちんと固定されているかどうか最終確認をしてくれている朔ちゃんはこちらへ背を向けていた。
すると背中から腰、腰から足のラインが目に入ってくるわけで。スタイルの良さに驚きつつ……広くなった肩幅や引き締まった腰、すらりと伸びた足を見て、不意にドキッとした。
あたりまえだけど、男の人になってる。
「お姉さーん、そろそろ出発しましょうか~」
荷物を運び出したあと家の中を掃除してくれていた健介くんがいつの間にか玄関の前にいた。施錠しながら顔だけこちらへ向けている。
私は焦って朔ちゃんから視線をそらし「そうだね。掃除ありがとう」と健介くんに返事して鍵を受け取った。
「俺はトラックに乗るんで、お姉さんはあっちの車に乗ってください。森川が運転しますんで」
えっ、朔ちゃんが運転?
車を見てから朔ちゃんを見ると、何を考えてるのかわかったらしく、朔ちゃんはにこっとわかりやすく作り笑いをした。
「もちろん、運転もできます。高校卒業してすぐ取ったので運転歴1年半はありますから安心してください。さぁ、行きますよ」
早口でそう言って朔ちゃんは私のバッグを奪い取ると、長い足を駆使してあっという間に車へ向かい、後部座席に私のバッグを置いていた。