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Start Over Again
第2章 再会

ーー…どれくらい時間が経ったのかわからない。

私の本音を聞いて、どう思ったかな。
なんだよ、それ。って怒ってるかな。
きちんと顔を見て、もう一度謝るべきだよね…。

いろんな考えが頭の中をぐるぐると駆けめぐり、もう一度謝ろう。と意を決して朔ちゃんへ顔を向けると、ハンドル上部に両腕を乗せてハンドルを覆うように顔をうずめていた。

「…朔ちゃん?」

名前を呼ぶと、ビクッと肩を揺らしてゆっくり顔を上げて、はは……と弱々しく笑う。

「すみません…ちょっと、混乱しちゃって。すみませんが、この話の続きはあとで……近いうちにしましょう。あ、そろそろ行かないとですね。精算してきます」

敬語に戻ってるし、顔を上げてから私を見ようとしない。

車から降りて精算機へ向かう朔ちゃんの後ろ姿をフロントガラス越しに見つめながら、胸がちくりと痛むのを感じていた。



パーキングは裏道にあったようで、そこから表通りに出てしばらくすると、どことなく見覚えのある街並みになってきた。

もうマンションに近いのかな? と思いながら流れていく景色をボーッと見つめていると、急に車内が暗くなった。
どこかの建物の地下にでも入ったのかと目だけを動かして確認しようとすると「着きましたよ」と朔ちゃんの言葉。
ああ、駐車場って地下なんだ。と車内が暗くなったわけに気づく。

車から降りて広い駐車場内を少し見渡すと「けーいー!」と咲子の声。
声がしたほうを見ると、こちらに手を振る咲子と健介くんの姿が見えた。

あ…健介くん。待たせてしまって申し訳なかったな…謝らないと。そう思いながら朔ちゃんといっしょに近づいていく。
声が届く距離まできて謝ろうと口を開くと「健介さん! 遅くなってすみません!」と朔ちゃんが勢いよく頭を下げた。

そんな朔ちゃんと、隣で驚く私を交互に見てから「いーよ、いーよ。気にすんな」と健介くんは軽く笑い、それ以上は何も言わない。
おそらく……健介くんは、朔ちゃんと私のあいだに漂う微妙な空気感をなんとなく感じ取った上で、こちらに気を遣わせないようにしてくれたのかもしれない。

なぜそう思ったのかと言うと、自分のこと以外にあまり興味がない咲子が、朔ちゃんと私を見てにやついているから。
大人な対応の健介くんに心から感謝する。

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