この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Start Over Again
第3章 契約書

…朔ちゃん? なぜ今、目をそらしたの?

嫌な予感がして咲子へ目を向けると
「ええ。もちろん、朔も契約書にサインしております」
とこういうときだけ無駄に敬語を使う咲子に少しイラッとする。

「何か他に質問は?」と言う咲子に黙って首を振る。

契約を交わした以上、それに従わなくてはならない。
契約の重みというものを痛感し、はぁー…とため息を吐くと体から力が抜けるのを感じた。

ふらつきながら朔ちゃんの隣に座りこむと「けいちゃんっ!?」と心配した様子で朔ちゃんが私の顔を覗き込む。

私の瞳にどアップで映る朔ちゃんの顔。
ここはドキッと胸をときめかせるタイミングなんだろうけど、これからの生活のことを考えて憂鬱な私は
毛穴ないじゃんかよ、ちくしょう!
と20歳のつるつるお肌がうらめしい気分。

「あ、そうそう。母さんから二人にメッセージがあるの」

咲子の言葉に朔ちゃんと私は首をかしげる。

スマホを触っていた咲子が「あ、これこれ」と言ってスマホ画面をこちらに向けた。
映っているのは微笑んで手を振る由美子さんの姿。

メッセージって動画のことか。と思っていると
「けいちゃーん。さっくーん。お母さんですー。聞こえてるー?」
と由美子さんの問いかけから始まった。

聞こえてるー? と言っちゃう由美子さんのたまに出る天然発言にほんわかする。

「さっそく本題に入るけど、けいちゃんとさっくんが同棲するのに反対はしていません。むしろ賛成っ! 大大大、大賛成です!!」

ゆ、由美子さん…?
同棲じゃなくて、同居と言ってください…
というか、賛成なんですか!??

「けいちゃんのことは実の娘のように思ってるし、幸せになってほしい。この際、さっくんと既成事実でもつくって本当に娘になりませんかー?」

さらっと、とんでもないことを言う由美子さんに戸惑う。
隣では朔ちゃんがガクっとうなだれて「なに言ってんだよ…」とため息を吐いていた。

「自分の子だからと贔屓目を外しても、うちのさっくんは優良物件だと思うの。将来も安泰だと思うし。あとは……まだ誰色にも染まっていない、ってところも加算ポイントね!」

パチッとウインクする由美子さん。

誰にも……ということは朔ちゃんって…。
とちらりと隣を見ると両手で顔を隠している。よく見ると耳まで赤くなっていた。
…何ですか、この可愛い生き物は。

/98ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ