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Start Over Again
第4章 同居スタート
自室に入って背中でドアを閉めて、すーはーすーはーと深呼吸。
…今、普通にできてたよね?
半裸を見たくらいで動揺したなんて知られたくなくて、なるべく冷静を装ってみたけど…気づかれてないだろうか。
きっと…大丈夫。
そう自分を落ち着かせながら上着を脱ぎ、お風呂に入るため着替えを準備して自室から出ると、朔ちゃんがキッチンに立っているのが見えた。
ちゃんとTシャツを着ていて安心する。
「お風呂入ってくるね」と一応声をかけると
「はい、ごゆっくり。あ、背中流しましょうか?」と返ってきた。
!?
驚いてダイニングテーブルに少しぶつかる。
「大丈夫ですか?」と心配そうに近づいてこようとする朔ちゃんのほうへバッと勢いよく手を伸ばして
「だ、大丈夫! 大丈夫だから!」と言って近寄らせない。
朔ちゃんの動きが止まったのを確認して「入ってくる!」と足早に浴室へ向かった。
20分ほどで出てくると、すでに晩ごはんが出来上がっていた。
ダイニングテーブルに並べられた料理からとてつもなくいい匂いが漂ってくる。
「おいしそう…」言葉にすると急にお腹がすいてきて、ぐるるるる…とお腹が鳴る。
「朔ちゃんすごいね! いいお嫁さんになれるよ!」とお腹の音を聞かれた恥ずかしさをごまかすように言うと、茶碗に白米をよそってくれていた朔ちゃんが「え…お婿さん、じゃなくてですか?」と笑った。
作ってくれたメニューは、鶏むね肉とキャベツのコチュジャン炒め、豆腐とわかめとジャガイモの味噌汁、水菜とミニトマトのサラダという手の込んだものばかりで、どれもおいしかった。
そして…おいしいごはんがあると、自然とお酒もすすむわけで。
気がつくと、ほろ酔い気分。
「恵香さん、大丈夫?」
心配顔の朔ちゃんが顔を覗き込んでくる。
「だぁいじょーぶ!」
「水、持ってくるね。待って……うわっ!?」
椅子から立ち上がった朔ちゃんの服を掴んで背中側から抱きつく。
「んー…朔ちゃ…あったか…」
「ちょっ、離れて!」
「えー? なんでぇ?」
「何ででも!」
なぜか焦った様子の朔ちゃんを不思議に思いながら背中に顔をすりすりさせていると、「あー、もうっ!」と手を引かれてソファーに座らされた。