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Start Over Again
第4章 同居スタート
「恵香さん、お酒飲むとこうなんですか!?」
顔を少し赤くした朔ちゃんが、厳しめの口調で聞いてくる。
何でそんな口調なのかわからないけど、顔を赤くした朔ちゃんはかわいい。
「んー…わりと?」
素直に認めると、朔ちゃんは目を見開く。
「家とか、僕といっしょならいいです。だけど、外で飲むときは飲み過ぎないようにしてください」
「うーん…」
「心配なんです。外で飲んだときに誰彼構わず抱きついてたら、簡単にどこかへ連れて行かれちゃいますよ」
「えー? あはは。私が? ないない、大丈夫だよー…」
今までそんな経験ないし、と否定の意味で手を振ると、朔ちゃんがムッとした様子で私の手首を掴んだ。
「じゃあ…この手、振り払えますか?」
掴まれた手を振ったり角度を変えてみるけど振り払えない。
「ね? こんなふうに知らない男に掴まれたらどうするんですか?」
「ち…近くの人に…」
「助けを求める? そんな簡単に助けてもらえますかね?」
「うっ…」
確かに、助けてもらえないかもしれない。
「今どき、ややこしそうなことには首を突っ込みたくないって人のほうが多いんですよ。それで助けてもらえたらラッキーですが、もしも助けてもらえなかったら、どうなると思います?」
にじり寄ってくる朔ちゃんが少し怖い。
何も言えずに黙っていると肩をトンッと押されて簡単にソファーに寝かされた。
「…こんなふうに、押し倒されるんですよ」
「あ…の、朔ちゃ……んっ!?」
起き上がろうとする私に覆いかぶさるようにしてキスをしてくる。
柔らかい唇が優しく押しつけられるように動き、舌先で唇をなぞられたり…つつかれたりして、ビクッと反応してしまう。
抵抗の意味をこめて朔ちゃんの肩を押そうとした片手も、久しぶりの感覚にのみ込まれて力を失い、目の前の肩に添えるだけとなっていた。
キス…やめてもらわなきゃなのに…。
ろくに抵抗もできず、されるがままでいると、唇のわずかな隙間からぬるりと侵入してきた舌が私の舌に絡まる。
思わず目を閉じると、舌と舌が唾液と交わる音が頭に響いてきて背筋がゾクリとした。