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Start Over Again
第4章 同居スタート
「…ん……んっ……」
快感を認めるような声をもらすと、掴まれていた手首から力がゆるまった。
離してくれるのかと思ったのもつかの間…
手首や手のひら、指の付け根や関節をくすぐるように撫でながら動いたあと、あたりまえかのように私の指に朔ちゃんの指が絡まる。
それだけのことが気持ちよくて徐々に力が入らなくなっていき、肩に添えていた手を力なく自分の体へ垂らすと、吸い上げられていた舌が急に解放された。
そっと目を開けると、唇が離れただけですぐ目の前に朔ちゃんの顔があった。
唇と唇を繋ぐ唾液を指でぬぐい取るしぐさが妙に色っぽくて目をそらせずにいると、口元をわずかにゆるめる。
「…こうやって簡単に、キスされちゃうんだよ?」
…誰ですか、この色気を垂れ流している人は。
敬語から自然とタメ口になってるし。
「わかった? 外で飲みすぎちゃだめだよ?」
唾液をぬぐい取った指をペロッと舐めて首をかしげる朔ちゃんを見ながら、言葉が出ないままコクコクと必死にうなずいた。
ドクドクドク…と鼓動が止まらない。
横たわったままの体は自分のものではないのでは、と思うほど熱を帯びていてうまく動けない。
「けいちゃんのこんな…かわいい顔、誰にも見せたくない」
私を見つめる瞳にはまだ熱がこもっている。
向けられる熱も、触れられたこともいやじゃない。
「お願いだから、他の男に見せないで…」
切なげに寄せられた眉と今にも泣きそうにうるんだ目。
ああ…やめて。
うるうるした目にも弱いんだってば…。
「…変だな。私も…朔ちゃんのそういう顔、他の人に見せたくないかも…」
ぽつりとこぼすと、朔ちゃんが目を見開く。
「そ、それって…」
「うん…お酒飲んでる影響があるかもなんだけど…」
もう眉は寄せられていないけど、期待を孕んだ目に直視されて急に恥ずかしくなりパッと目をそらしてしまう。