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Start Over Again
第4章 同居スタート

「朔ちゃんにその…キスされたのも、触られるのもいやじゃなくて。どちらかといえば、ドキドキしちゃって…いつもより体も熱くて。…こんなの久しぶりで正直、戸惑ってるんだけど…」

本来、他人に体を触られることがやや苦手な私からすれば、めずらしいことで。

「朔ちゃんのこと、男の人として好きなのかわかんないけど、そばにいるのって…… "あり" ……かな??」

ちらりと目を向けると、朔ちゃんは目を見開いたまま固まっていた。

思っていた反応と違ったことに焦って
「あっ、気持ちをはっきりさせずにずるいこと言ってるってわかってるよっ。だから朔ちゃんが『それはない』って思うなら……」

半年後に出ていくから。と続けようとしたら朔ちゃんの顔が私の胸の上に落ちてきた。
え? と思いながら様子を見ていると、しばらく胸の上に埋まっていた顔がゆっくりと上がっていき、うるんだ目と視線がぶつかる。

や…、やや上目遣い…!
というか、待って。
この体勢だと…実は二重あごだってバレちゃわない!?

早急に体勢を変えてもらいたくて体を起こそうとすると、逃げようとしていると勘違いしたのか「だめ」と言われて抱きしめられる。
あまりにもぎゅうぅぅ…と強く抱きしめられて体が "へ" の字のように浮いた。

への字、というのは言いすぎかもしれないけど、背中が浮いているのは確かで、これまで経験したことのない圧力をかけられている。

「さ…朔ちゃんっ、くるし…っ」

苦しげな声を出した私に反応して「ご、ごめん!」とすぐに力をゆるめてくれたが離れる気はないようで、私を抱きしめたまま上体を起こし始めた朔ちゃんに慌ててしがみつく。

「これなら、苦しくないよね?」

ソファーに背中をあずけて座り、太ももの上に私を乗せた状態で口角を上げていたずらっぽく笑う。

「苦しくはないけど…」

気になるのは、重くないかな? ってこと。
足に力を入れて体重をかけないようにするのは飲酒した状態では無理な話で、今まさに全体重を朔ちゃんにあずけていることになる。

「けど、なに?」

「えっ……その、重くないのかなって…」

ソワソワしながらそう言うと、数秒待って朔ちゃんがくすっと笑った。

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