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Start Over Again
第4章 同居スタート
ああ…あったかい…。
いつの間にかベッドの中で温かいものに包まれて眠っていた。
ほどよい温かさが心地よくて、目がなかなか開けられない。
うぅん…と小さく吐息をもらしながら手探りだけで温かいものに触れるとなんだか硬い。
ふと頭と首の下にあるはずの枕に意識を向けるも、こちらもなぜか硬い。
…かたい??
疑問に思いながら仕方なく目を少し開けると、ぼやけた視界に入ってきたのは灰色のなにか。
なんだこれ、と思いながら手でペタペタと触れて、なんだ…服か。と気づくも寝起きの頭は働かない。
服を見つめたままボーッとしていると、目の前の服が突然動いた。
えっ…と声を出す間もなく「おはよ…」と少しかすれた声が頭上から聞こえて、ハッとして顔を向けると半分しか開いてない目とがっつり目が合った。
えっと…これは…?
硬い枕は、朔ちゃんの腕で?
なぜか、朔ちゃんといっしょに寝ていて?
でも、服は着てるね…?
状況が掴めないまま呆けてると、完全に目が覚めた様子の朔ちゃんが私のおでこに手をつけた。
「…うん、体温は大丈夫そうだね。どこか具合悪いとこある?」
具合? と思いつつ別に平気だと自覚して首を横に振ると、朔ちゃんが「よかった…」と息を吐く。
「昨日あれからけいちゃん眠っちゃって…体も熱いし、お酒も飲んでたから途中で起こして無理やり水分とらせてからまた眠ってもらったんだけど、体からなかなか熱が引かなくて心配だった…」
朔ちゃんの言葉に、徐々に昨晩のことを思い出していき顔に熱が集中する。
まるで顔から火が出てるような感覚。とは、このことか! とどこか冷静に考えながらも、体は朔ちゃんから離れようとしていた。
「もっ、もう大丈夫! ごめんね、迷惑かけて」
身をひねってベッドから出ようとしたが服を掴まれてあっさりと引き戻される。
「待って。急に起き上がるのよくないよ。それに…まだ聞けてないことあるし」
どさくさに紛れて朔ちゃんが手と膝をついて私の上に乗っかる。だけど体重はかけられていない。
それどころか…手も掴まれてないし、両膝は私の太ももの外側に軽く触れているだけ。
逃げようと思えば、逃げられる。
だけど…