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Start Over Again
第5章 飲み会

橋本くんとは年齢も同じで、同期の中でも親しい間柄だ。

「あ、須藤さんも到着してたんですね。お疲れ様です」

「ああ、お疲れ」

ああ~~助かった~~橋本くんナイスタイミング~~!! と誰に対しても態度を変えない鋼の心を持つ橋本くんの登場に内心で叫んでいると
「集合ー! 店に移動するよー!」と幸田さんの声がした。

そちらへ目を向けると幸田さんの同期の方が数名と、私たちの同期が数名、そして見覚えのない人たちがぞろぞろと歩き始めた。
それに続いて私たちも歩き出す。

今日って…どういう集まり?

幸田さんの同期の方たちは名前はうろ覚えだけど顔は知っている。
だけど見覚えのない人たちは幸田さんとどういう関係?
飲み会に参加しているってことはそれなりに親しいんだろうけど…。

考えてもわからないことは知ってそうな人に聞くべし! と隣を歩く橋本くんの腕をトントンと触る。

「あのさ、幸田さんと歩いてる人たちの中に見覚えない人がちらほらいるんだけど…」

なんとなく小声で話しかけると、橋本くんはきょとんとした顔をして歩くのを止める。

「…なに、山之内。今日のこと何も聞いてないの?」

「え…うん」

予想と違う反応をされて少し戸惑っていると橋本くんがははっと笑った。

「ほら、幸田さんと仲良い中野さんいるでしょ。あの人が結婚するらしいよ」

中野さんは私も知ってる。ご結婚されるのはめでたい。
だけど、それと今日のメンツに何の関係が?

「う…うん…??」と首をかしげると
「あー…行きながら説明するよ」とよくわかっていない私に笑いつつ橋本くんは歩き出す。

「山之内が見覚えない人たちは、幸田さんや中野さんたちの学生時代の友人らしくて、あの中の誰かと中野さんが結婚するって。どの人かまでは俺もわからんけど。まぁ…つまり今日は中野さんおめでとう、の飲み会ってこと」

「なるほど。説明ありがとう」

簡潔にわかりやすく説明してくれた橋本くんに感謝してからハッとする。

「え、待って。お祝い…」

「そういうのはなしでいいんだって」

「そっか…それなら良かった…」

安堵しつつ、会話のテンポがはやい橋本くんに改めて感謝した。

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