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Start Over Again
第1章 引っ越し

嬉しく思うけれど、こういったスキンシップがやや苦手な私は、助けて~。という意味を込めて咲子へ視線を向けた。

それに気づいた咲子が私から由美子さんを引き離し、
「母よ、そのへんにして。話を進めよう」
そう言って由美子さんを接客用ソファーへ座らせた。

「あ…そうね。けいちゃんが困ってるって話だったわね」

ゆるみきっていた顔を一瞬で引き締め、背筋をピンッと伸ばして姿勢よく座り凛々しく微笑む由美子さんは、私を撫で回していた人とは全くの別人だ。
仕事のできる女! というオーラが漂っている。

「そう。もともと、3階の私の部屋にって考えてたんだけど、彼が入り浸ってるし…けいに迷惑かけるかもしれないんだよね……」

確かに、咲子の彼とはいえ、プライベートな空間に男性がいるのには抵抗がある。
何よりも、咲子の彼は裸族だというから、その時点でもう無理。

「だから、その真下の2階の角部屋はどうかなって思って、さっき内見もしてきた」

咲子の言葉に驚いた顔をする由美子さん。
そんな様子を気にすることなく咲子はにこっと微笑んで私を見る。

「けいもあの部屋、気に入ったよね? どの階も角部屋だけ他の部屋とは造りが違ってね、おすすめなんだよ」

「うん。素敵な部屋すぎて驚いた…」

そう答えた私に満足した様子で「じゃ2階の角部屋にしよ! いいよね、お母さん?」とたずねる咲子に
由美子さんは何かを考えたあと「まぁ…いいでしょう」とうなずいた。


マンションに到着して1時間も経たないうちに住むことが決定し、これでホームレスは回避できた…と安堵して、まだ手土産を渡していないことに気づいた。

「…あっ、忘れてた。由美子さん、咲子。これ良かったら」

包みを袋から取り出して由美子さんへ渡すと
「うわっ、これ風来庵の水ようかんじゃん!」と咲子の目が輝く。

「けいちゃん、気を遣わなくていいのに。でも、ありがとうね。咲子も私もここの水ようかん好きだから嬉しいわ」

喜んでもらえて嬉しい。

「そんな…気を遣ったとかではなくて。これからお世話になるので……あ、ただの手土産だと思ってもらえれば!」

そう言って頭をペコッと下げると、焦った様子で由美子さんが立ち上がった。

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