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Start Over Again
第7章 ダブルデート

あっという間に下準備が終わり、いい感じに日陰になってるテラスへ移動することに。
須藤さんが食材を焼くグリルの火をつけてくれ、橋本くんが食材を運んでくれたので、咲子と私で飲み物が入ったクーラーボックスを運ぶ。
食材はたくさん用意されていた。
玉ねぎ、ピーマン、キャベツ、かぼちゃ、ミニトマトの野菜から、牛肉、豚肉、鶏肉はあたりまえに、ウインナーや肉団子、イカやエビなどの海鮮類まで豊富な品揃え。
飲み物をクーラーボックスへ入れるときにちらりと見た冷蔵庫には数種類のミニケーキにプリンやゼリー、冷凍庫にはアイスが入っていた。
「食べれないものやアレルギーとかある?」
焼き始める前に橋本くんが咲子にたずねる。
「ううん、ない。全部食べれる。ね、けい」
「うん。食材のチョイス最高だね」
咲子に話を振られてにこにこしながらうなずくと、須藤さんが海鮮類をグリルに乗せ始めた。
グリルはもう一つあり、そちらに橋本くんが肉類を乗せていく。
しばらくすると、いい匂いが漂ってきた。
アルミカップに入れて焼かれているイカはバターと醤油、エビはオリーブオイルとおろしにんにくという味付けらしく、お酒に合いそう…と考えていると、焼き上がったイカとエビを紙皿に盛った須藤さんがそれを咲子と私の前のテーブルに置いてくれた。
「先にどうぞ。熱いから気をつけて」
「やった! いただきます~」
パンッと手を合わせる咲子を見ながら、先に食べるのはどうなんだろう…と考えていると
「お肉も焼けたよー」と橋本くんもやってきた。
「橋本。俺が焼いてるから、先に食べてて」という須藤さんに
「えっ、いいんですか! じゃお言葉に甘えて……いただきます!」とさっさと椅子に座って手を合わせる橋本くん。
そんな橋本くんを見てから私に視線を移した須藤さんが「ほら、冷めないうちに」と言うので「はい…いただきます」と手を合わせた。
海鮮も肉もどれも美味しくて、ん~~! と幸福感を噛みしめる。
でもやっぱり、せっかく4人で来たんだからいっしょに食べたいな…と思っていた。
すると隣の咲子がふぅ、と息を吐いて箸を置く。
どうしたのかと目を向けると、咲子がスマホを取り出して耳にあてる。

