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Start Over Again
第7章 ダブルデート
うわわ、須藤さんが微笑んでる…!!
須藤さんのこんな顔見れるなんて、私ラッキーかもしんない!
「山之内と話してみて気づけたよ、ありがとう。…でも内緒にしてくれると助かる。もう少し気持ちを整理させたいから」
「もっ、もちろんです! 誰にも話したりしません!」
興奮気味にコクコクとうなずくと、須藤さんの手が頭のてっぺんに乗り、私の動きを止める。
「振りすぎ。そんなに振ると頭取れるぞ」
ふっ…と笑って軽い冗談を言う須藤さんに見とれていると「そこ~なにイチャイチャしてるんですか~?」と橋本くんの声。
その声に反応して須藤さんが私の頭から手を離す。
「イチャイチャ? 別にしてないが…」
戸惑った様子で否定する須藤さん。
「山之内の頭触ってましたよね~? イチャイチャじゃないならセクハラですよ~! どっちだと思う、咲子っち?」
「もちろんイチャイチャだと思うわ、しんちゃん」
…いつの間にか "咲子っち" と "しんちゃん" 呼びに変わっている。この数分間で一体何があったんだ。
「だよね~! 受けた側の感じ方にもよるけど…山之内! 君はどっちだと思ってるんだっ!」
急に名指しされてビクッとしながらも「えっと…セクハラではないかと…」と言うと
「山之内はこう言ってますけど~?」と橋本くんが須藤さんに詰め寄る。
「…イチャイチャ…してました…?」
橋本くんの勢いに押されて敬語になる須藤さんを見て咲子がにやにやしている。
語尾に?マークがついてた気がするけど、そんなのお構いなしに橋本くんが両手で顔を隠す。
「ひどいっ! 俺というものがありながらイチャイチャするなんてっ! 須藤さんの浮気ものぉぉ!!」
「お、おい、橋本っ!」
泣く振りをして急に走り出す橋本くんを須藤さんが慌てて追いかけていく。
二人が走っていった方をしばらく見つめたあと咲子へ顔を向けると笑いをこらえていた。
「…なに今の茶番劇」
「ぶっ…あははははっ! しんちゃんも須藤さんもおもしろすぎ! ははっ、だめ、笑いすぎてお腹痛いっ」
バンバンとテーブルを叩きながら笑う咲子に呆れながらため息を吐く。