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Start Over Again
第8章 悪夢 と デート
「…だから再会できてこうやってまた話すことができて、会えなかった6年間が報われた気分。…正直、会ったら文句の一つや二つでも言おうと思ってたんだけど、生のけいちゃんを前にしたら全部飛んでったよ」
コツンとおでことおでこをくっつける朔ちゃん。
「けいちゃんは…僕と再会してどう思った? 僕いろいろと頑張ってきたよ、けいちゃんの隣に立っても恥ずかしくないように。まぁけいちゃん限定で、内面というか精神的にはドMかもしれないけど…」
おでこに優しくキスをして
「何かされても最終的には許しちゃうから、どうしても嫌いになれないし、どうしても好きなんだよね」
と笑う朔ちゃんを見て、鼻がツーンとし始める。
「はは…ドMって…」と泣かないように小さく笑ってみせると「うん、精神的にはね。肉体的にはドSもいけます」とふざけた様子で言う朔ちゃんに、ふっ…と笑みがこぼれた。
「さっき…僕の前では泣いていいよって言ったけど、もちろん笑った顔も見たいし、可能な限り僕が笑わせたい」
そうだ、さっきまでめちゃくちゃ泣いてたんだった…。
少し落ちついてくると無性に恥ずかしくなってきた。
だけど、これからは…
「私も…笑っていたい。…けど、どうしても泣きたくなったら…胸を貸してもらえると…助か…っ…」
モジモジしながらも素直に口にしてみるが、やはり恥ずかしくて徐々に声が小さくなっていく。
最後まで言い終える前にギュウゥゥ! と強く抱きしめられた。
「もちろん! 貸す、喜んで貸すよ! …というか、待って。やばい、可愛すぎてやばい。顔が見れないっ!!」
「朔ちゃ…力強い…」
服を引っぱって力をゆるめてもらおうとするけど、朔ちゃんはブンブンと首を振る。
「我慢してっ。今…顔見ちゃったら、我慢できないって…。それともなに、今すぐ襲ってもいいの!?」
切羽詰まったような声でたずねられて次は私がブンブンと首を振ると「…あははっ、ガード固いなぁ~」と明るく笑いながらもさらに強く抱きしめられた。
ああ…きっと、無理して笑ってくれてる…ごめんね、ありがとう…。
と欲を我慢してくれる朔ちゃんを愛しく思いながら強く抱きしめ返した。