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Start Over Again
第9章 過去 と 告白

「ぜんぜん嫌じゃないっ!!」

「えっ……え…??」

急に抱きつかれて状況が読めないのか朔ちゃんは戸惑っている。

「確かに…もう恋愛なんてって思ってたし職場の男性に肩とか触られるだけで嫌だなって思ってたし紹介されてもそういう気持ちが先走ってうまくいかなかったりでそんなときに朔ちゃんに再会できて正直嬉しかったしっ」

泣きやんだかと思えば、早口でまくしたてる私を一度引き離して顔を覗いてきた。

「落ちついて。僕は逃げないから、ちゃんと呼吸しながらゆっくり話して。あ、起きてから水分とってないから喉乾いてるよね。1回水飲もっ!」

ベッドから飛び起きてリビングへダッシュする朔ちゃんに言われたとおり、意識して深呼吸する。
すーはーすーはー言ってるとペットボトルを持って朔ちゃんが戻ってきた。

「はい。水分補給して」

朔ちゃんってほんと、どこまで優しいんだろう。
その優しさを試したくなる……なんて思うのはきっと私のせいじゃない。朔ちゃんが優しすぎるせいだ。

やばい思考になりながらペットボトルを受け取って喉に流し込む。喉が潤うとさらにホッとしている自分がいた。

「落ちついた?」

「うん。ありがと…」

私のペットボトルを奪ってテーブルに置き、私の横に腰かけて朔ちゃんが微笑む。

「さ、話の続きをどうぞ」

「えっ…と……」

いざ、どうぞ。と言われるとなかなか話しづらい。

「僕に ”再会できて正直嬉しかったし” のあとからだね。嬉しかったし、なに?」

ちゃんと聞いてたのね…。

にこにこ顔の朔ちゃんにガクッとうなだれて目を閉じて内心ですーはーと呼吸する。
ここで言わなくて、いつ言うんだ。頑張れ! と自分を鼓舞して朔ちゃんの顔をまっすぐ見つめる。

「さ…触られてドキドキしたし、本当はもっと触ってほしいなって思ってました…」

「えっ」

即座に反応する朔ちゃんの口を両手で覆う。

「最後まで聞いて。一度しか言わないから…」

コクコクとうなずくのを確認して口から手を離す。

「ぷはっ……わかった。最後までちゃんと聞く」

真剣な表情で私を見つめ返してくる朔ちゃんにうなずいて、気合いを入れるように姿勢を正した。

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