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幼なじみとしたいコト
第3章 したいコト
……いい匂いがする。
今日の晩ごはんカレーかな? なんて考えながら目を開けると自分の部屋じゃなかった。
あれ? と思いながら寝返りをうって視線を動かすとテーブルの上に見覚えのあるタブレット。
……ああ、春希の部屋か…………えっ!?
慌てて飛び起きるけど、春希の姿はない。
私……ガチ寝してた??
春希の部屋でテーブルに突っ伏してうたた寝くらいはしたことあるけど、ベッドを占領して普通に寝るなんてしたことはない。
もしかして……夢???
服はちゃんと着てる……いやでも……夢にしては生々しすぎるし、何したかしっかり覚えてるし……。
春希との行為は夢だったのか、それとも現実なのか、わからずに頭を抱えていると、部屋に近づいてくる足音が聞こえてきた。
は、春希!?
どどど、どんな顔して待ってれば!??
とっさに布団を頭からかぶって丸くなる。
数秒後、ガチャリと部屋のドアが開く音がした。
パタンと閉まる音がして、足音はベッドに向かってくる。
「……秋ちゃん?」
春希の声にドキッとする。
「どうしたの? 具合悪い?」
「…………悪くない」
無視するのはよくないし、だけど恥ずかしくて小声で返事をすると、ベッドの端が沈む感覚がした。
「悪くないなら、顔見せて?」
春希のやさしい声にゆっくりと布団から出ると、春希はベッドに腰かけていた。
ちらりと視線を向けると、春希の腕が伸びてきてやさしく抱きしめられた。
「あ……あの……?」
「めちゃくちゃ心配した」
「え……心配?」
「うん。一瞬、気絶したのかと思って焦った。そしたら寝息が聞こえてきたから、寝たんだってホッとした」
「……寝ちゃってごめん」
「ふふっ、いいよ。かわいい寝顔も見れたし」
「っ……」
な、何か……春希が変!
かわいいとか、さらっと言うタイプじゃないと思ってたのに……。